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本殿

本殿

本殿正側面全景

建築年代 弘化5年(1848~棟札・県指定)
構造形式 五間社流造 向拝三間 銅板葺

棟札に水原源四郎俊勇とある。昭和30年以前は幣殿はなく、簡素な中門があった。

本殿と中門の旧景

本殿と中門の旧景

本殿の正面柱間数が五間あって、屋根の正面流れが背面より長いことから、このような本殿形式を五間社流造と呼ぶ。一般には一間社か三間社が多く、五間社の例はきわめて少ない。これをみても当社の社格が如何に大きなものであったか知ることができる。

本殿の奥行は三間あって、奥の二間が母屋と呼び内陣であり、前の一間通りは庇下に造られた前室で外陣にあたる。奥の母屋は丸柱を用い、前室には角柱を使い、更に、前室の前に角柱の向拝(こうはい)を設けたのが流造本殿の特徴。

本殿正面と向拝見返し詳細

本殿正面と向拝見返し詳細

建造年代が19世紀まで下がると、かなり派手な意匠を取り入れるものが多いが、この本殿は彫刻類も控え目で県下の中世以来の伝統様式を伝える落ちついた作品。特に向拝と妻飾りの意匠は秀逸で目をみはる。さきに権殿を造り腕試しをした大工水原源四郎の意欲作である。

本殿表飾詳細(東)

本殿表飾詳細(東)

本殿の正面軒先に接して幣殿が昭和30年に新築されているが、この建物が尊厳で雄大な本殿の外観の障害になっている。旧景は柱二本の棟門形式の中門が建ち、その景観が本殿と調和している。旧の中門は本殿と権殿のあいだにある少彦名神御霊跡の神門として移築保存されている。

この本殿はいずれ江戸末期の県下を代表する大型五間社本殿として世間から注目されるだろう。その時は中門を旧景に戻すのが神域を守るためにも最善の方法と考えられる。

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